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公開日:2025.05.08 / 最終更新日:2025.05.08

採用サイト取材の成功ポイントと質問例

人事・採用担当 採用サイト 採用支援 解説

採用サイト制作時に、その内容をより魅力的に、そして説得力のあるものに仕上げるためには、取材の質が重要です。どんなにデザインや構成が良くても、取材で得られる情報が浅ければ、心に響くサイトにはなりません。企業の魅力や働く人のリアルな姿を引き出すには、事前準備や質問設計、当日の進行にも工夫が求められます。今回のブログでは、取材を成功させるためのポイントを、実際に使える質問例を交えてご紹介します。

目次

1.採用サイト取材の重要性

2.インタビューの目的と効果

①求職者の企業理解を助ける

②企業文化や職場環境の可視化

③採用ミスマッチの防止

3.インタビューの準備段階

①対象者の選定

②質問リストの準備

③取材環境の整備

4.インタビューの進め方

①質問順序と構成

②雰囲気作りとコミュニケーション

③録音とメモの取り方

5.記事作成のポイント

①音声データの文字起こし

②文章の構成と編集

③最終チェックと確認

④公開後のフィードバック収集

6.取材の質問例

■入社のきっかけ・理由

■自社に関する質問

■入社前後の印象

■業務内容に関する質問

■やりがいや苦労に関する質問

■企業文化・社風

■今後の目標

7.自己制作と外注制作の比較

①自社制作のメリット・デメリット

②外注制作のメリット・デメリット

8.まとめ

1.採用サイト取材の重要性

採用サイト制作時に行う取材は、企業の魅力を引き出すための重要なプロセス。企業文化や職場の雰囲気、働く人のリアルな声を通じて、求職者に企業の中身を伝えることができます。特に中小企業においては、社員一人ひとりの言葉が強い差別化要因となるため、本質に迫る丁寧な取材や深い掘り下げが欠かせません。取材で得た情報を採用サイトに反映させることで、企業理解が深まり、信頼性の向上にもつながります。また、正確で具体性のある情報は求職者とのミスマッチを防ぎ、採用成功の後押しとなります。

2.インタビューの目的と効果

インタビューの最大の目的は、企業が大切にしている価値観や働く人々の本音を引き出し、求職者に共感してもらうこと。公式な情報だけでは伝えきれない、現場の空気感や社員の人柄を伝えるには、インタビューという手法が効果的なのです。また、社員自身が言葉にすることで、自社への理解や誇りが深まるという波及効果もあります。

①求職者の企業理解を助ける

求職者の企業理解を深めるには、抽象的な理念や制度だけでなく、現場で働く社員のリアルな声が大きな手がかりになります。インタビューでは、社員一人ひとりがどのような思いで働いているのか、どんな場面でやりがいを感じ、どう成長してきたのかといった背景に触れることができます。そうした実体験をストーリーとして伝えることで、求職者は自分がその環境で働くイメージをより具体的に描けるようになります。

②企業文化や職場環境の可視化

求職者は「どんな人たちがいて、どんな空気の中で働くのか」を気にしています。だからこそ、社員インタビューで実体験やエピソードを紹介することで、ありのままの職場の姿を見せましょう。普段の働き方やチームの関係、社内イベントなどについて具体的に話してもらうと、働くイメージがわきやすくなります。また、社員同士のサポート体制や助け合いの文化を伝えることで、「ここなら安心して働けそう」と思ってもらうことができます。

③採用ミスマッチの防止

ミスマッチを防ぐポイントは、企業の“ありのままの姿”を求職者に正しく伝えること。インタビューを通じて、社風や働く環境、どんな人を求めているのかを具体的に伝えることで、求職者は「自分に合っているかどうか」をイメージしやすくなります。また、社員の成長エピソードや活躍例を紹介することで、「入社後にどんな未来が描けるのか」を思い描く手助けにもなります。こうした取材を丁寧に行うことが、企業と求職者の間に良い関係を築き、長く活躍してもらうための第一歩となります。

3.インタビューの準備段階

インタビューの出来を大きく左右するのが、事前準備です。ぶっつけ本番は絶対にNG。誰に話を聞くのか、どんな質問をするのか、どのような環境で実施するのか。こうした事前の設計が、リアルで説得力のあるコンテンツを生み出すカギとなります。

①対象者の選定

まずは、インタビュー対象者の選定。企業のさまざまな側面を語れる社員を選ぶことで、より多角的に企業文化や職場環境を伝えることができます。例えば、企業の成長過程や変革に関する話を聞きたい場合は、ベテラン社員や経営陣を選ぶと良いでしょう。逆に、働きやすさやチームの雰囲気を伝えたい時は、現場の社員や新入社員が適しています。ポジティブな企業文化やフラットな環境を強調したい時には、チームワークを重視する部署のメンバーを選ぶことで、現場の実感に根ざした言葉を引き出すことができます。

②質問リストの準備

インタビューを効果的に進めるために、事前に質問リストを準備しましょう。企業の文化や価値観、日々の業務の進め方、チームの雰囲気、求める人材像など、求職者に伝えたい情報をリスト化し、インタビュー中に漏れがないようにします。質問は具体的で答えやすいものにするため、クローズドクエスチョン(はい・いいえで答えられる質問)とオープンクエスチョン(自由に答えることができる質問)をバランスよく組み合わせることをおすすめします。これにより、インタビューの中で自然な会話を引き出し、より深い情報を得ることができます。

③取材環境の整備

取材の環境は、静かな場所を選び、集中できる環境を整えるようにしましょう。音や外部の干渉がない場所で、リラックスできる雰囲気を作ることで、インタビュー対象者が本音を話しやすくなります。また、インタビューの際に使用する機材(カメラなど)や記録手段(ボイスレコーダーなど)も事前にチェックしておきましょう。これにより、思わぬトラブルを避け、安心して取材に臨むことができます。

4.インタビューの進め方

取材対象者のプロフィールや役割を理解し、その人に合った質問を準備することで自然な会話が生まれます。当日はリラックスした雰囲気を心掛け、アイスブレイクを取り入れて緊張を和らげましょう。

①質問順序と構成

インタビューをスムーズに進めるには、質問の順序や構成をあらかじめ整理しておくことが大切です。まずは自己紹介や現在の仕事について軽く聞きながら、自然と会話が始まる雰囲気をつくります。そこから企業文化や働き方の話に入り、部署の人数や売上、案件数など、具体的なエピソードや数字も交えてもらえると、読者にとってもリアリティのある内容になります。最後は、今後のビジョンや求める人物像について聞くことで、企業としての魅力がしっかり伝わり、気持ちよく締めくくることができます。

②雰囲気作りとコミュニケーション

インタビューの目的や進め方をあらかじめ伝えて、安心して話してもらえる空気を整える。さらに、相手の言葉にしっかり耳を傾け、共感やフォローの一言を添えることで、少しずつ信頼関係が深まっていきます。こうしたやり取りを重ねることで、相手も自然体で話せるようになり、具体的で内容の濃い話を引き出せるようになります。

③録音とメモの取り方

ボイスレコーダーなどを使って会話を記録するのは基本ですが、それだけに頼らず、印象的な言葉や話し手の表情・感情の動きは、その場でメモするようにしましょう。話の中で「もっと聞いてみたい」と感じた内容は、その場で記録し、話が一段落したタイミングで深掘りすると、思わぬエピソードが引き出せることもあります。

5.記事作成のポイント

記事づくりは、ただ情報を並べるだけでは伝わりません。読み手に届く形に整えるためには、整理・編集・チェック、そして公開後の見直しまで、各ステップに工夫と丁寧さが求められます。

①音声データの文字起こし

音声データの字起こしは、記事作成の出発点です。話し言葉には言い淀みや言い回しのクセがありますが、まずは忠実に書き起こすことで、発言の意図や感情を把握しやすくなります。時間はかかりますが、ここを丁寧に行うことで後の編集作業がスムーズになります。

②文章の構成と編集

読者目線に立った構成を意識しましょう。読み手が「知りたい!」と思う情報にすぐたどり着ける構成になっているかどうかがポイントです。見出しや小見出しで流れをつくり、仕事内容・働く環境・人の魅力など、テーマごとに話題を整理しましょう。話の軸がはっきりすると、読み手の関心をグッと引き寄せられます。編集では、言葉をシンプルに整え、無駄を省くことで、内容がすっと伝わる文章に仕上がります。

③最終チェックと確認

公開前の最終チェックは欠かさず行いましょう。掲載内容が正確か、誤字脱字がないかを細かく確認することが基本です。特に企業名や職種、待遇などの情報は求職者の判断に直結するため、慎重に見直す必要があります。これらの最終チェックを行うことで、信頼性の高い採用サイトを提供できるでしょう。

④公開後のフィードバック収集

公開後は、積極的にフィードバックを収集しましょう。応募者や社内の担当者からの意見をもとに、どの部分が効果的だったか、また改善が必要な点を把握できます。この情報は、次回のサイト更新や取材に役立てられます。アンケートやインタビューを実施するのもいいですね。具体的な感想を集めると、直感的な意見を得やすくなります。人事担当者からの意見を反映させることで、サイトが企業の方針や目的により合った内容となり、より魅力的な採用サイトを作り上げることができます。

6.取材の質問例

取材を効果的に進めるためには、質問の内容が重要です。以下にいくつかの具体的な質問例を挙げます。

■入社のきっかけ・理由

なぜその企業を選んだのか、どのような点が魅力的だったのかを知ることで、求職者が共感できる要素を伝えます。

・どのようなきっかけでこの会社に興味を持ちましたか?
・入社を決めた決め手は何ですか?
・他の企業と比べて、この会社に魅力を感じたポイントは?
・入社前に不安だったことはありましたか?

■自社に関する質問

企業の特徴や強み、価値観を明らかにし、読者に企業の全体像を伝えるための質問です。

・どんな事業を展開していますか?
・他社と比べて優れている点は?
・社員に共通する気質や特徴はありますか?
・今後どのような方向を目指していますか?

■入社前後の印象

入社前のイメージと入社後の現実のギャップを知ることで、職場のリアルな姿を伝える質問です。

・入社前はどんな印象を持っていましたか?
・良い意味で想像と違ったことは?
・不安や迷いはありましたか?どう乗り越えましたか?
・入社後、会社に対する考え方はどう変化しましたか?

■業務内容に関する質問

業務の実態や仕事の流れを知ることで、読者が働く姿を具体的に想像できるようにします。

・現在の主な業務内容は何ですか?
・1日のスケジュールを簡単に教えてください。
・どんなタイミングで達成感を感じますか?
・業務で意識している工夫やこだわりはありますか?

■やりがいや苦労に関する質問

仕事を通じた成長や、困難の乗り越え方を共有することで、読者に働く意味を伝えます。

・仕事のやりがいを感じるのはどんなときですか?
・これまでで一番大変だった経験は?
・その困難をどう乗り越えましたか?
・自分の成長を実感したエピソードはありますか?

■企業文化・社風

職場の雰囲気や人間関係を伝えることで、働きやすさや社内の風通しの良さを表現します。

・チームの雰囲気を一言で言うと?
・上司や先輩との関係性はどうですか?
・意見を言いやすい環境だと感じますか?
・社内イベントや交流の場はありますか?

■今後の目標

今後のビジョンや成長意欲を引き出し、ポジティブな印象で記事を締めくくります。

・今後、挑戦したいことはありますか?
・どんなスキルを身につけたいですか?
・キャリアにおける理想の姿は?
・その目標に向けて努力していることは何ですか?

7.自己制作と外注制作の比較

①自社制作のメリット・デメリット

自社制作のメリットは、やはりコストを抑えられることでしょう。また、担当者が直接制作に関与するため、迅速に情報を反映でき、変化にも即座に対応できます。しかし、デメリットもあります。専門的な知識が求められ、社内にスキルを持つ人材がいないと、クオリティが低下するリスクがあります。また、制作に時間がかかることや、他の業務への負担が増えるため、業務全体への影響が懸念されます。

②外注制作のメリット・デメリット

外注制作には多くのメリットがあります。専門知識と豊富な経験を持つデザイナーが手掛けるため、高品質な成果物が期待できます。また、採用サイト制作に特化したノウハウを活かし、効果的なデザインや構成を提案してもらえる点も大きな魅力です。デメリットは、まず、コストがかかるため、中小企業にとっては負担になること。また、外注後のコミュニケーションが必要で、タイムリーな修正が難しくなることもあります。これらのメリットとデメリットを考慮して、最適な制作方法を選びましょう。

8.まとめ

今回のブログで紹介したように、取材を成功させることで、企業の魅力を余すことなく伝えることができます。社員のリアルな声を、インタビューを通じて引き出し、求職者が共感できるコンテンツを提供することが、魅力的な採用サイト制作のための第一歩です。しっかりとした準備を行い、取材を進めることで得られた情報を最大限に活かし、企業の本質を伝えることができます。その結果、理想の人材とのマッチングが加速し、採用活動がより効果的かつ効率的になるでしょう。ぜひ、今回の内容を参考にして、取材を成功させ、魅力的な採用サイトを作り上げてください。

執筆者:株式会社ゴマシオカンパニー 代表取締役 山崎準也

ゴマシオカンパニーは、採用広報支援を目的としたクリエイティブを得意とする企画制作オフィスです。この分野で20年以上実績を積み上げてきた代表を中心に、様々な分野のクリエイティブを得意とするスタッフが、日々アイデアを出し合い、お客さまの採用課題解決に尽力しています。

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