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公開日:2025.12.24 / 最終更新日:2025.12.24
参考にしたい!鉄鋼業界の採用サイト事例10選
デザイン 事例紹介 人事・採用担当 採用サイト 採用支援 解説

鉄鋼業界の採用活動では、採用サイト制作の工夫次第で成果に大きな差が生まれています。仕事内容の伝わりにくさや業界イメージ、若手人材との接点不足といった課題を抱える企業は少なくありません。 近年は、技術力や働く人の姿を戦略的に発信する採用サイトによって、応募数やマッチ度を高めている鉄鋼メーカーも増えています。 本記事では、鉄鋼業界特有の採用課題を踏まえ、設計や表現に優れた鉄鋼業界の採用サイト事例10選を紹介します。
目次
1.鉄鋼業界の採用サイト事例10選
目を引く特徴的な採用サイトを10社ピックアップしました。
世界規模の価値を打ち出す
日本製鉄株式会社の新卒採用サイトは、ファーストビューで「世界」「未来」といったキーワードを大胆に掲げ、BtoB企業の枠を超えた影響力の大きさを印象づける採用サイトです。トップページはファーストビューとナビゲーションのみという斬新な構成で、企業メッセージへの集中度を高めています。
事業紹介ページでは、製品の種類や用途を具体的な数値や他素材・他国との比較で示し、鉄鋼が幅広い産業に不可欠であることを可視化。さらに社会貢献ページでは、環境配慮や災害対策、5G鋼によるDXなどを紹介し、鉄鋼業界の将来性とスケール感を強く感じさせる設計となっています。
現場の迫力で惹きつける
JFEスチール株式会社の新卒採用サイトは、ファーストビューでは製鉄所の迫力ある映像を大胆に使用し、鉄鋼業特有の「熱量」や「規模感」を視覚的に伝えています。言葉では表現しにくい現場の凄みを動画で補完することで、理系学生の知的好奇心を強く刺激する構成です。
「一人ひとりが考える鉄の可能性」では、多様な職種の社員が手書きの想いとともに登場し、企業への親近感を醸成。さらに職種・文理・勤続年数で絞り込める社員インタビューにより、自身に近いキャリア像を具体的に描ける点も特徴です。
ポップなデザインで魅せる
大同特殊鋼株式会社の採用サイトは、3Dイラストと実写を組み合わせたアニメーションが印象的です。テンポの良い画面遷移と統一感のあるポップなデザインにより、若年層でも飽きずに読み進められる構成となっています。
「素材・技術・人がMIXされ、そこにあなたの魅力が加わることで未来が生まれる」というメッセージを軸に、自分らしく輝ける環境を直感的に表現。工場や研究所など実際の職場紹介も挟み込み、入社前後のギャップを減らす工夫が施されています。
シンプルな設計で事業を伝える
株式会社神戸製鋼所の新卒採用サイトは、コーポレートカラーを効果的に使った、シンプルで視認性の高いイラスト表現が特徴的です。地図や身近な生活圏のイラストにピンを立てて事業の広がりを示す手法をファーストビューに取り入れることで、閲覧直後から事業内容を直感的に理解できる設計となっています。
また、職種や働き方でコンテンツを絞り込めるUIを導入し、若年層でも目的の情報に迷わずアクセス可能。トップページの情報量をあえて抑え、興味を起点にエントリーや詳細コンテンツへ進める導線設計が、回遊性と応募意欲の両立につながっています。
親しみやすさで惹きつける
大和工業株式会社の新卒採用サイトは、会社の頭文字「Y」とコーポレートカラーを用いた、ゆるいポージングのキャラクターが印象的です。文字量や配色、イラスト配置のバランスがよく、視覚的に見やすい設計を実現。ナビゲーションが追尾しない点も斬新で、自然なスクロール体験を生んでいます。
鉄鋼会社らしさを前面に出さず、興味喚起を優先した世界観づくりが特徴。また「姫路での暮らし」ページでは、社員の声や日常を通じて地域の魅力を紹介し、働くことと暮らすことをセットでイメージできる構成が親近感につながっています。さらに、世界各国に拠点を持つグローバル展開を具体的に示し、地方から世界へ挑むキャリア像を明確に描いています。
暮らしとのつながりを伝える
大阪製鐵株式会社の新卒採用サイトはメインビジュアルで同じ社員が私服と制服で切り替わるアニメーション表現を用い、仕事と生活を両立できる環境を直感的に伝えています。働く姿だけでなく、その先にある日常まで想像させる点が印象的です。
「暮らしの中のDAITETSU」ページでは、鉄道レールや建築用鋼材、船のコンテナなど、製品が私たちの身近なシーンで使われていることを可視化。アニメーションによって飽きにくい構成としつつ、気球をたこ焼きに見立てるなど地域性を感じさせる遊び心も盛り込まれています。事業理解と親近感を同時に高める設計が、若年層の興味喚起につながる好例です。
安心感と将来性を伝える
愛知製鋼株式会社の採用サイトは、 トヨタグループの素材メーカーとしての信頼感と、将来性のある事業基盤を感じさせるデザインが特徴です。BtoB企業にありがちな「成果が見えにくい」という弱点も、自動車産業というエンドユーザーに近い立ち位置を強調することで、仕事内容や社会との関わりを分かりやすく伝えています。
社員インタビューでは、実直で堅実なトーンを基調に、挑戦を通じたスキルアップややりがいにフォーカス。学生が「なぜこの会社で働くのか」を自然にイメージできるストーリー構成となっています。
現場の臨場感で惹きつける
共英製鋼株式会社の新卒採用サイトは、 ファーストビューで各現場で誇りを持って働く社員の姿を映し出し、仕事への真摯な向き合い方を直感的に伝えています。「鉄に興味がない方へ」という特設ページでは、業界に詳しくない求職者に向けて鉄鋼業界の現状や将来性、課題解決に向けた取り組みを丁寧に解説。
さらに、認知段階に応じたおすすめコンテンツを用意することで、「仕事内容・技術の価値が伝わりにくい」という課題をカバーしています。会社概要アニメーションでは、事業規模や環境配慮型の独自事業もわかりやすく紹介されています。
親しみやすさで伝える
丸一鋼管株式会社の高卒採用サイトは、 ポップなデザインとテンポの良い動画を用いたメインビジュアルにより、高校生世代でも身構えずに閲覧できる構成が特徴です。「3歩歩けば丸一鋼管」といった簡潔なコピーや、製品が身近な存在であることを伝えるリード文によって、企業への親近感を自然に醸成しています。
事業内容ページでは、仕事内容や働き方、1日のスケジュールまで具体的に紹介し、就職後のイメージが湧きにくい層の不安を軽減。さらに「漫画で見る丸一鋼管」では、製品が暮らしを支える場面を楽しく描き、若年層に向けた理解促進と興味喚起を両立しています。
素材の強みをデザインで表現
山陽特殊製鋼株式会社の採用サイトは、「錆びない未来を作れ!」というコピーを起点に、強く錆びにくい特殊鋼という自社技術の特長を直感的に伝えています。金属の光沢やクリアな質感を感じさせるデザインにより、素材メーカーとしての専門性と先進性を印象づけています。
職種と仕事の流れを同一ページで整理し、各工程で活躍する職種紹介から社員インタビューへと自然につながる導線を設計。さらに、福利厚生を数字で示すことで3Kイメージを払拭し、女性社員の登場や制度紹介を通じて、多様な人材が働きやすい環境であることを伝えています。
2.鉄鋼業界の採用サイト制作のポイント
採用サイトを制作する時のポイントを下記にまとめました。
仕事内容・技術の価値を「直感的に」伝える
鉄鋼業界では、専門性の高さゆえに仕事内容や技術の価値が伝わりにくく、求職者が具体的な働くイメージを持てないまま離脱してしまうケースが少なくありません。そのため採用サイトでは、文章による説明だけでなく、映像・イラスト・図解などを活用し、仕事のスケール感や現場の雰囲気を直感的に伝える工夫が重要です。
事例でも見られたように、ファーストビューで事業の全体像を把握できる設計や、製品が社会や暮らしの中でどのように使われているかを可視化することで、業界理解の浅い若年層でも興味を持ちやすくなります。
「きつい・古い」イメージを払拭する情報設計
鉄鋼業界には、いまだに3K(きつい・汚い・危険)といったイメージを持つ求職者も多く、実態とのギャップが応募の障壁になっています。そのため、働く環境や制度、社員のリアルな声を積極的に開示し、不安を解消する情報設計が欠かせません。
福利厚生や働き方を数字で示したり、1日のスケジュールや休日の過ごし方まで紹介したりすることで、「入社後の生活」を具体的に想像できるようになります。こうした情報は滞在時間を伸ばすだけでなく、ミスマッチ防止にもつながります。
求職者が「働く姿」を想像できる導線をつくる
若手・理系人材の獲得競争が激化する中、採用サイトは「情報を並べる場」ではなく、求職者が自分に近い情報へ迷わずたどり着ける導線設計が重要です。
職種・文理・働き方などで絞り込めるUIや、認知段階に応じたおすすめコンテンツの提示により、求職者は自分に合った情報だけをストレスなく閲覧できます。事例でも、社員インタビューや座談会、地域での暮らしを紹介するコンテンツが、企業への親近感や応募意欲の向上に効果を発揮していました。
3.まとめ
鉄鋼業界の採用サイト制作では、技術力や事業規模を伝えるだけでなく、仕事内容の価値や働く人の姿をどれだけ具体的に伝えられるかが、採用成果を大きく左右します。今回紹介した事例のように、ファーストビューで事業の全体像を示す工夫や、現場の臨場感、暮らしとのつながりを可視化する表現は、業界特有の「伝わりにくさ」を解消する有効な手段です。
また、働く環境やキャリア、生活イメージまで丁寧に伝えることで、若年層や業界未経験者でも安心して一歩を踏み出しやすくなります。採用課題に向き合い、情報設計と表現を見直すことが、応募数だけでなくマッチ度の高い採用につながる重要なポイントといえるでしょう。
執筆者:株式会社ゴマシオカンパニー 代表取締役 山崎準也
ゴマシオカンパニーは、採用広報支援を目的としたクリエイティブを得意とする企画制作オフィスです。この分野で20年以上実績を積み上げてきた代表を中心に、様々な分野のクリエイティブを得意とするスタッフが、日々アイデアを出し合い、お客さまの採用課題解決に尽力しています。
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