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公開日:2025.06.10 / 最終更新日:2025.06.10

求人広告の書き方を詳しく解説

人事・採用担当 採用支援 解説

「求人を出してみたけれど、思ったより応募が少ない」「条件も悪くないはずなのに、なぜ反応が薄いんだろう」「同業他社は効果が出ているのに、なんでうちだけ応募がこないの」…そんなモヤモヤを感じたことはありませんか?実はその原因、多くの場合『求人広告の書き方』に潜んでいます。どんなに魅力的な職場でも、その魅力が伝わらなければ応募には結びつきません。今回のブログでは、会社で採用業務に関わっている方が陥りがちな落とし穴と、その改善ポイントを具体的に解説していきます。

目次

1.効果的な求人広告を書くための基本

①求人広告のターゲットを明確にする

②ペルソナ設計

・<ペルソナの例>

③自社のアピールポイントの洗い出し

④コンセプト設計

2.魅力的な求人広告の書き方のコツ

①タイトル・キャッチコピー

・■例:田中さん(ペルソナ)へのラブレター

・<キャッチコピー例>

②職種名

③仕事内容

④応募資格

⑤写真を使って魅力を伝える

⑥内容を詰め込みすぎない

⑦正直な表現を心がける

3.求人広告を書く際に抑えておくべき法律

4.まとめ

1.効果的な求人広告を書くための基本

求人広告は、ただ情報を並べるだけでは“響く”ものになりません。「誰に向けて・どんな表現で・どのように伝えるか」をしっかり考えることで、初めて“届く”広告になります。そう、伝え方ひとつで印象は大きく変わるのです。ここでは、効果的な求人広告を書くために押さえておきたい4つの基本ポイントを解説します。自社の求人広告に「何か足りないかも」と感じている方は、まずこの基本から見直してみましょう。

①求人広告のターゲットを明確にする

求人広告において、まず明確にすべきなのが「誰に向けた募集か」です。ここで大切なのは、理想ではなく“現実的に採用できる人”をイメージすること。求めるスキルや性格を整理したうえで、その人が今どんな悩みを抱えて転職活動をしているのかを考えてみましょう。「人間関係を変えたい」「もっと成長できる環境に行きたい」など、転職には必ず理由があります。その本音に寄り添った内容こそ、応募者の心に届く広告になります。誰に届けたいのかを明確にすることが、求人広告づくりの出発点です。

②ペルソナ設計

ターゲット設定ができたら、次はペルソナ設計です。ペルソナ設計とは、理想の人材をまるで実際に存在する人物のように詳細に描く作業のこと。性別や年齢、居住地、仕事、趣味、ライフスタイルまで具体的に設定し、その人が現職で不満に感じていることや、転職を通じて実現したいことを考えます。これにより、求職者に響くメッセージが明確になり、採用基準も一貫性を持たせることが可能に。“ターゲット”が大まかな層を指すのに対し、“ペルソナ”はその層の中で「どんな人」を求めているかを深掘りしていきます。例えば、こんな感じです(以下参照)。

<ペルソナの例>

名前: 田中恵理さん
年齢: 34歳
居住地: 東京都練馬区
現職: 営業職(法人営業)
年収: 500万円
趣味: ヨガ、料理、旅行
ライフスタイル:忙しくて自由な時間が少ない
週末は友人とのランチやヨガに出かけることが多い
不満: 売上目標に追われ、仕事の拘束時間が長く、自分の時間が取れない
転職で実現したいこと: より柔軟な働き方で、ワークライフバランスの実現

③自社のアピールポイントの洗い出し

自社の魅力を言語化することは、求人広告をつくるうえで欠かせないステップです。たとえば、給与が業界平均より高ければアピール材料になりますし、残業が少なければ働きやすさを伝える要素になります。長年黒字経営を続けているなら、安定性が魅力になるでしょう。他にも、若手に裁量がある、職場の雰囲気が良い、研修や資格取得の支援があるといった点も立派な強みです。こうした魅力は、意外と身近にあるもの。自分で思いつかない場合は、社員に「会社のいいところって何だと思う?」と聞いてみるのもいいでしょう。等身大の魅力こそが、共感を生むポイントになります。

④コンセプト設計

設計したペルソナが転職先に求めていることと、自社のアピールポイントでマッチするものを見つけていきます。先ほどの例で登場した田中さんは「柔軟な働き方」「ワークライフバランスの実現」を求めていました。自社のアピールポイントとして『有給取得率100%』『ノー残業デー』『残業月5時間以内』『フレックスタイム制度を導入』があれば、田中さんはグッと心を掴まれるかもしれません。自社のどの側面がペルソナにとって魅力的であるかを理解するためには、社風や福利厚生、職場環境、業務内容など、さまざまな視点から考慮することが大切です。

2.魅力的な求人広告の書き方のコツ

求人広告は、企業の「はじめまして」を伝える自己紹介のようなものです。求職者にとって、最初にその会社と出会う場が求人広告であることも多く、「どんな会社なんだろう」「雰囲気は合いそうかな」といった印象をここで決める人も少なくありません。だからこそ、仕事内容だけでなく、働く人や職場の雰囲気、会社の大切にしている考え方などを丁寧に伝えることで、「この会社ちょっと気になるかも」と感じてもらえる確率がぐんと上がります。ここでは、求人広告を効果的に作成するためのコツをいくつか紹介します。

①タイトル・キャッチコピー

効果的なのは、ターゲット(ペルソナ)に刺さるポイントをキャッチコピーにするというもの。その際、伝えるポイントはできるだけ1つに絞りましょう。求人広告はラブレターに似ています。想像してみてください。ラブレターで「料理もできて、気配り上手で、オシャレで、趣味も多彩で、安定した仕事にも就いていて…」と並べ立てても、結局だれにも響かないと思いませんか。大切なのは「相手にとってのたった一つの魅力」に絞ること。例えば「不器用だけどまっすぐにあなたを想っています」という一文の方が、よっぽど心に残るものです。求人広告も同じ。誰に、どんな気持ちで届けるのか。その芯を定めれば、自然と伝え方も決まってきます。「この人に読んでもらいたい」と思いながら言葉を選ぶ。それが“刺さる”コピーづくりの第一歩です。

■例:田中さん(ペルソナ)へのラブレター

ターゲット:中野区周辺在住で営業職をしている30代女性
ライフスタイル:忙しくて自由な時間が少ない
不満:売上目標に追われ、仕事の時間が長く、自分の時間が取れない
転職で実現したいこと:より柔軟な働き方で、ワークライフバランスの実現

<キャッチコピー例>

● 忙しく働くことが、頑張ることだと思っていませんか。
● “目標”じゃなく“自分”を追いかける毎日へ。
● 月の残業5時間未満。自分の時間、取り戻しませんか?

②職種名

求人広告の職種名は、誰が見ても分かりやすく具体的に書きましょう。簡潔すぎると仕事内容のイメージが伝わらず、他の求人に埋もれてしまう可能性もあります。例えば「営業」よりも「食品卸会社での営業」の方がわかりやすいですし、「外食業界向け冷凍食品の法人営業」とすれば、どういったお客様を相手にするのかもわかります。また、メリットを入れるという方法もあります。「飛び込み・テレアポなし!外食業界向け冷凍食品の法人営業」…いかがですか?より想像しやすくなったでしょう。

③仕事内容

仕事内容も同様。ターゲットの目線に立って、表現や言葉の選び方にも細心の注意を払いましょう。例えば専門用語。経験者が見れば伝わりますが、未経験者がターゲットの時はしっかりと噛み砕いて書くことが大切です。特に、IT系の企業は気をつけましょう。日常的に使っている言葉だからとついつい未経験向けの求人広告に専門用語を羅列していませんか?求職者はわからない言葉があったとして、よっぽどのことがなければ、いちいち調べるようなことはしません。ぜひ、チェックしてみてください。その部分を、ちょっと変えるだけでも応募効果が大きく変わる可能性があります。より仕事のイメージを持ってもらうために、1日の流れを入れるのもオススメです。

④応募資格

応募資格を記載する際は、「必須条件」と「歓迎条件」を明確に分けるようにしましょう。混ぜて記載してしまうと、条件の一部は満たしているのに他が該当しないことで、応募をためらう求職者が出てきてしまいます。また、必須条件を多くしすぎると、応募対象が極端に狭まり、採用機会を逃す原因にもなりかねません。必要最低限の条件だけを「必須」に設定し、それ以外は「歓迎」として記載することで、対象者の幅が広がります。応募が少ない場合には、「本当に必要なスキル・経験なのか?」改めて条件のハードルを見直し、必要に応じて「歓迎条件」へ移す柔軟な対応も大切です。

また、「こんな人にピッタリ」など志向に関する項目を加えることで、求職者が自分に合っているかどうかをイメージしやすくなります。たとえば「昔からコツコツと取り組むのが得意な方」や「他人の喜びを自分の幸せのように感じられる方」など、具体的な人物像を提示することで、応募への後押しにもつながります。スキルや経験だけでなく、働くうえでの姿勢や価値観にマッチするかどうかを伝えることも、ミスマッチを防ぐポイントです。

⑤写真を使って魅力を伝える

求人広告において写真の活用は、職場の雰囲気やチームの空気感を直感的に伝える効果的な手段です。実際のスタッフの笑顔や働く様子を映した写真は、文章だけでは伝えきれないリアルな魅力を届け、「ここで働いてみたい」という気持ちを引き出します。撮影時には白い壁の前で撮るよりも、オフィス全体を背景にするなど、情報量の多い構図を意識しましょう。職場の活気や人間関係の温かさが伝わる写真は、求職者に働くイメージを具体的に描かせます。また、アイコンや図を組み合わせることで視覚的に情報を整理し、印象に残る求人広告に仕上げることができます。

⑥内容を詰め込みすぎない

魅力をたくさん詰め込んだ求人広告は、一見親切そうに見えますが、実は逆効果になることもあります。あれもこれも伝えようとすると、どれも印象に残らないのです。いわば“幕の内弁当”のようなもの。おかずがたくさん入っていて豪華に見えても、食べ終わったときに「結局何を食べたっけ?」となることがあります。一方で、から揚げ弁当や生姜焼き弁当のように、メインがはっきりしているものは記憶に残ります。求人広告も同じです。「この会社はここが魅力!」と一つに絞って伝えることで、よりターゲットの心にしっかり届く“強い広告”になります。

⑦正直な表現を心がける

求人広告で「正直な表現」を心がけることは、求職者との信頼関係を築くうえで欠かせません。業務内容や職場環境を良く見せようとして、誇張や曖昧な表現を使ってしまうと「思っていたのと違う」というミスマッチを生む原因になります。たとえ、ネガティブに見える情報でも、残業の実態や評価制度の仕組みなどを正直に伝えることで、求職者は自分に合った職場かどうかを判断しやすくなります。企業側にとっても、価値観の合う人材と出会える確率が高まり、入社後の定着にもつながります。良いことだけでなく、現実も含めて正直に。それが、信頼できる仲間を迎える第一歩です。

3.求人広告を書く際に抑えておくべき法律

求人広告を作成する際、法律を守ることは重要です。正しい情報を提供し、法的な問題を避けることで、トラブルを未然に防ぎ、企業の信頼性を高めることができます。

・労働基準法
・職業安定法
・男女雇用機会均等法
・雇用対策法
・最低賃金法
・著作権法 など

法律を遵守することで、企業は信頼性を高めるだけでなく、
長期的な雇用関係を築くことにもつながります。

4.まとめ

求人広告は、企業にとって優秀な人材を集める重要なツールです。まず、どんな人材を求めているのかを具体的に伝えることで、応募者は自分との適性を判断しやすくなります。また、職場の雰囲気や福利厚生、企業文化など、自社の魅力も丁寧に伝えましょう。成功している他社の事例などを参考にしながら、自社ならではの強みを活かす工夫も大切です。最後に、分かりやすい表現を心掛け、求職者が容易に理解できる文章を作ることで、応募のハードルを下げられます。ぜひ、今回の内容を参考にしていただき、より効果的な求人広告を作成し、最適な人材を迎え入れましょう。

執筆者:株式会社ゴマシオカンパニー 代表取締役 山崎準也

ゴマシオカンパニーは、採用広報支援を目的としたクリエイティブを得意とする企画制作オフィスです。この分野で20年以上実績を積み上げてきた代表を中心に、様々な分野のクリエイティブを得意とするスタッフが、日々アイデアを出し合い、お客さまの採用課題解決に尽力しています。

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