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公開日:2019.10.07 / 最終更新日:2024.03.14

採用オウンドメディアとは?注目の採用手法をわかりやすく解説

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数年前まで、日本の採用は求人を出して応募を待つと言うのが一般的でした。
しかし近年、優秀な人材の採用が困難になってきています。
そこで注目を集めているのが、オウンドメディアを採用ツールとして活用する採用オウンドメディアです。
自社が所有(オウンド)するメディアで積極的な採用情報を掲載することで、求職者から興味を持ってもらう採用手法となっています。
今回は、採用オウンドメディアについて詳しくお伝えしたいと思います。

目次

1.採用オウンドメディアとは?

・採用オウンドメディアが注目をあつめる背景

・採用オウンドメディアの目的

2.採用オウンドメディアのメリット

・自由な情報発信

・コンテンツの蓄積

・求職者との直接的なエンゲージメント

・分析と最適化

3.採用オウンドメディアのデメリット

・初期投資と運用コスト

・成果が出るまで時間がかかる

4.成功事例にみる採用オウンドメディアの活用術

・サイバーエージェント『CyberAgentWay』

・サイボウズ『サイボウズ式』

・DeNA『フルスイング』

・トヨタ自動車『トヨタイムズ』

5.採用オウンドメディア設計の6つのポイント

①求める人材(ペルソナ)を設計する

②自社の特徴や魅力の整理整頓

③最適なメディア選定

④テーマのあるコンテンツ制作

⑤継続的な情報発信

⑥社内全体の協力体制

6.採用オウンドメディアのコンテンツ事例

・社員インタビュー

・仕事紹介

・一日の流れ

・研修・育成プログラム

・従業員の成果物・プロジェクト

・オフィス紹介

・イベントレポート

・Q&A/FAQ

7.まとめ

1.採用オウンドメディアとは?

採用オウンドメディアとは、企業が自ら所有し運営するメディアプラットフォームのことで、特に採用活動を目的としたものを言います。
採用オウンドメディアは、企業の文化、働き方、従業員の声、職場の雰囲気、採用情報などを紹介し、求職者に対して魅力的な企業イメージを構築するために用いられます。
ウェブサイト、ブログ、SNSアカウント、動画チャンネルなど、様々な形態があります。

・採用オウンドメディアが注目をあつめる背景

日本において採用オウンドメディアが注目されるようになった背景には、複数の要因が考えられます。

労働市場の変化

日本の労働市場は、少子高齢化による労働力人口の減少、そして若年層の価値観の多様化により、人材獲得競争が激化しています。これにより、企業は単に多くの応募者を集めるだけではなく、自社に最適な人材を引きつけ、雇用する必要性が高まっています。

求職者の情報収集の変化

インターネットの普及により、求職者は企業についての情報を、以前にも増して簡単に、そして様々な場所から収集できるようになりました。このため、企業は自社の魅力を正確かつ魅力的に伝える必要があり、その効果的な手段として採用オウンドメディアが注目されています。

従来の採用広告の限界

従来のマスメディアを用いた採用広告は、広範囲の層にリーチすることは可能ですが、高コストであり、企業が伝えたいメッセージを深く、詳細に伝えるには限界があります。これに対し、オウンドメディアはコストパフォーマンスが良く、企業文化や仕事の内容など、より深い情報を提供できるため、効果的な採用ツールとして認識されています。

SNSとの相乗効果

SNSの普及により、企業はオウンドメディアのコンテンツを簡単に拡散させることができるようになりました。この相乗効果により、企業は自社のフォロワーや潜在的な求職者と直接的な関係を築き、エンゲージメントを高めることが可能になります。

デジタル技術の進展

Webサイトの管理ツールやコンテンツマネジメントシステム(CMS)の進化により、企業はより簡単に、かつ低コストでオウンドメディアを運営できるようになりました。こうした技術的な進化も、オウンドメディアリクルーティングの普及を後押しした要因になっているでしょう。

・採用オウンドメディアの目的

ブランドイメージの向上

企業文化や働き方を通じて、企業のブランドイメージを構築・向上させます。

正確な情報提供

採用情報や企業情報を直接的に伝えることで、誤った情報の広がりを防ぎます。

求職者との関係構築

求職者とのコミュニケーションを通じて、長期的な関係を築きます。

採用コストの削減

外部メディアへの依存度を下げ、広告費用を削減します。

2.採用オウンドメディアのメリット

・自由な情報発信

自社で完全にコントロールできるため、発信する情報の質やタイミングを自在に管理できます。

・コンテンツの蓄積

情報発信を繰り返すことで価値のあるコンテンツが増えていくことになり、持続的な効果を期待できます。

・求職者との直接的なエンゲージメント

求職者と直接コミュニケーションを取ることができ、より深い関係を構築する機会があります。

・分析と最適化

アクセス解析などのデータを活用し、戦略の効果を評価し、継続的に最適化できます。

3.採用オウンドメディアのデメリット

・初期投資と運用コスト

質の高いコンテンツを制作・維持するためには、初期投資と定期的な維持費用が必要です。特にCMSの仕様は、自社の体制に合わせて、制作会社と綿密に打ち合わせをしましょう。SNSの運用を行う場合は、加えて専門的なスキルと時間が要求されます。

・成果が出るまで時間がかかる

成果が出るまでに時間がかかるため、短期間での効果を期待するには難しい場合があります。あくまでも長期的な施策として取り組みましょう。

4.成功事例にみる採用オウンドメディアの活用術

・サイバーエージェント『CyberAgentWay』

https://www.cyberagent.co.jp/way/

サイバーエージェントは、独自性の高いオウンドメディアを通じて、革新的な企業文化や働きがいのあるプロジェクトを紹介しています。
特に、若手社員が大きなプロジェクトを任される機会の多さ、失敗を恐れずチャレンジする風土などが、若い世代の求職者に響いています。
さらに、ブログやSNSを活用したリアルタイムな情報発信も、エンゲージメント向上に貢献しています。

・サイボウズ『サイボウズ式』

https://cybozushiki.cybozu.co.jp/

サイボウズはITの観点からみたものやチームワーク、ワークスタイルなど、仕事に関するコンテンツ内容を多く発信しています。
日々働き方や仕事の意義について考えている方に読まれているコンテンツメディアで、見やすいシンプルなインターフェイスで、スマホでも読みやすいレスポンシブデザインとなっています。
サイト内では、「マネジメント」や「キャリア」などのタグ検索ができるようになっており、興味のある分野のタグから記事コンテンツが見つかるようになっています。

・DeNA『フルスイング』

https://fullswing.dena.com/

DeNAでは、「フルスイング」というユニークな名前の採用オウンドメディアを運営しています。
更新頻度も高く3~4日に1回は新しい記事が更新されていることもあり、コンスタントに情報を発信しているという特徴もあります。
事業の根幹であるエンジニア部門の話、新卒社員のインタビューなど様々なコンテンツが楽しめます。

・トヨタ自動車『トヨタイムズ』

https://toyotatimes.jp/

トヨタが行うオウンドメディアリクルーティングは、「採用色を出さない採用」として成功しています。
実際に記事を読んでみると、会社のトップ自らが”想いや体温”のようなものも含めてさらけ出していくことで、共感を得ていきたいという決意が感じられます。
社長自らがオウンドメディアに登場し、トヨタイムズの体現者となり、これまでとは異なる価値訴求を試みたことが、採用の面でも成功した要因になったのではないでしょうか。

5.採用オウンドメディア設計の6つのポイント

・求める人材(ペルソナ)を設計する

まずは、理想的な求職者の”ペルソナ”をしっかりイメージすることから始めます。
ペルソナを設計することで、この後の適した媒体選定やテーマの設定に繋がります。

・自社の特徴や魅力の整理整頓

ペルソナが確立したら、そのペルソナが興味を持つ自社の長所を洗い出します。
自社の特長や魅力を書き出してみてください。たくさんあるなかで、何を伝えていきたいかを整理し、明確にしていきます。

・最適なメディア選定

オウンドメディアといっても、媒体は多岐にわたってあります。
最新の情報をすぐ伝えたい場合は、手軽でスピーディーにアウトプットができるブログやSNSが最適でしょう。
伝わりにくい情報を写真やイラストを使用して発信する場合は、自社採用サイトなど表現の幅が広いメディアを活用してみると効果が期待できます。
それぞれの特性を理解した上で、より魅力的に伝えられるメディアを選定してください。

・テーマのあるコンテンツ制作

設定したペルソナに対して「一番伝えたいこと(テーマ)」を決めましょう。
テーマが決まると、メディアの記事内容や企画に一貫性が生まれます。
自社にしかない強みをテーマにすれば、他社との差別化にも繋がり効果も大きくなるはず。独自性が高ければ高いほど、読者の注目度もあがります。

・継続的な情報発信

自社メディアは制作するだけでなく、継続して情報を発信していくことを忘れてはいけません。
専任の担当者、またはチームを作り、常に情報を更新していくことが大切です。
オウンドメディアを使ってどのように情報を発信していくか、定期的に話し合いを行うことで、よりオウンドメディアの効果を高めることができます。

・社内全体の協力体制

自社の情報を発信し続けるには採用担当・広報担当だけでなく、社内の協力が必要になります。
座談会や社内イベントなど、社内全体を巻き込む企画は読者の満足度も上がります。
全員で自社メディアの運用に取り組み、より自然で魅力的な情報を伝えていきましょう。

6.採用オウンドメディアのコンテンツ事例

採用オウンドメディアで効果的に活用できるコンテンツの種類は多岐にわたります。以下は、採用を目的としたオウンドメディアのコンテンツ事例です。

・社員インタビュー

実際に企業で働く社員のインタビューは、求職者にとって非常に魅力的なコンテンツです。異なる背景を持つ社員のキャリアパス、日々の業務、企業文化での経験など、リアルな声を通じて企業の人間性と魅力を伝えます。

・仕事紹介

特定の職種やプロジェクトにフォーカスし、その業務内容、担当者が直面する課題や達成感、そしてその職種の業界内での意義などを深掘りします。具体的な仕事内容を理解することで、求職者は自分に合った職種を見つけやすくなります。

・一日の流れ

「一日の流れ」を紹介することで、実際にその企業で働いた場合の日常を具体的にイメージさせます。これは、職場の雰囲気や実際の業務の忙しさ、チームでのコミュニケーションの仕方などを伝えるのに有効です。

・研修・育成プログラム

企業が提供する研修や育成プログラムの詳細を紹介することで、自己成長を望む求職者に対して、その企業がキャリアアップをサポートする場であることをアピールします。具体的な研修内容、成長の事例、キャリアパスの可能性などを示すことがポイントです。

・従業員の成果物・プロジェクト

社員が携わったプロジェクトや達成した成果物を紹介することで、企業の事業内容や技術力、革新性をアピールできます。また、実際に成果を上げている従業員のストーリーは、モチベーションや職場の活気を伝えるのにも役立ちます。

・オフィス紹介

オフィスの雰囲気や設備を紹介するコンテンツは、働く環境に興味を持つ求職者に対して有効です。オフィスの写真や動画を使って、職場の雰囲気や社員の働く様子を視覚的に示すことができます。

・イベントレポート

社内イベントやチームビルディング活動、社会貢献活動などの活動報告は、企業のコミュニティー感やチームワークの良さをアピールするのに適しています。実際に社員が楽しんでいる様子を伝えることで、企業文化の理解を深めることができます。

・Q&A/FAQ

求職者が持ちがちな疑問や不安に対する回答を提供するQ&AやFAQセクションは、情報の透明性を高め、信頼性を高めます。採用プロセス、待遇、キャリアアップの機会などについて具体的に答えることが重要です。

7.まとめ

以上になります。
採用オウンドメディアは、作る前の準備や、制作後の運用によって効果が大きく左右する採用方法です。
今後オウンドメディアリクルーティングを検討している方は、上記のポイントを参考にしていただけると、求めている人材に的確なアプローチができるかもしれません。

執筆者:株式会社ゴマシオカンパニー 代表取締役 山崎準也

ゴマシオカンパニーは、採用広報支援を目的としたクリエイティブを得意とする企画制作オフィスです。この分野で20年以上実績を積み上げてきた代表を中心に、様々な分野のクリエイティブを得意とするスタッフが、日々アイデアを出し合い、お客さまの採用課題解決に尽力しています。

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