ブログ > サンセリフ体とセリフ体の特徴について、デザイン制作の観点から解説

公開日:2021.07.12 / 最終更新日:2023.03.01

サンセリフ体とセリフ体の特徴について、デザイン制作の観点から解説

その他 デザイン 解説

欧文書体にはセリフとサンセリフに大きく分かれていますが、
特徴によってさらに細かく分類されているのをご存知ですか?
文字の成り立ちや目的を知ることで、さらに適したフォントを選ぶことができるようになります。。
今回はそんな欧文フォントの分類別の特徴についてお話します。

目次

・Humanist Serif(ヒューマニスト・セリフ)

・Transitional Serif(トラジショナル・セリフ)

・Rational Serif(ラショナル・セリフ)

・Contemporary Serif(コンテンポラリー・セリフ)

・Grotesque Sans(グロテスク・サンセリフ)

・Neo-Grotesque Sans(ネオグロテスク・サンセリフ)

・Geometric Sans(ジオメトリック・サンセリフ)

・Humanist Sans(ヒューマニスト ・サンセリフ)

・まとめ

書体の分類

セリフとサンセリフにわけてお話ししたいと思います。

■セリフ

Humanist Serif(ヒューマニスト・セリフ)


代表的なフォント:Garamond 、Minion

ヒューマニストセリフは最初のセリフ体を言われており、手書き文字やカリグラフィーの影響を強く受けています。
そのため、筆感が強く左右が非対称の文字が多く見られるのが特徴です。
古い書物を表現する場合に使用されることが多いです。

Transitional Serif(トラジショナル・セリフ)


代表的なフォント:Times New Roman、Adobe Caslon

セリフ体の中ではスタンダードなものがこの分類に当てはまり、文字自体の形や曲線的な構成で、 視認性や可読性にも優れている書体です。
柔らかい品のある印象があるため、見出しやコピーなどにも使えます。

Rational Serif(ラショナル・セリフ)


代表的なフォント:Bodoni、Didot

規則性があり、他のセリフ体とくらべて機械的な印象を与えます。
左右対象のものが多く、高級感が感じられるフォントです。
代表的なDidotはVogueのロゴにも使用されています。

Contemporary Serif(コンテンポラリー・セリフ)


代表的なフォント:Skolar、FF Meta Serif

比較的新しく、機能性を重視した作りになっています。
従来のセリフと比べて抑揚のコントラストが小さく、開いている部分が広いのが特徴です。

■サンセリフ

Grotesque Sans(グロテスク・サンセリフ)


代表的なフォント:Akitiv Grotesk、Franklin Gothic

トラジショナルセリフやラショナルセリフに良く似ているのサンセリフ書体です。
サンセリフの中では一番古くからあるフォントで、規則性が強いのが特徴です。
開発された当時は、その規則性の強さから奇妙な文字であると言われ「グロテスク」といわれたのがそのまま定着しました。

Neo-Grotesque Sans(ネオグロテスク・サンセリフ)


代表的なフォント:Helvetica Arial

グロテスクに似ているが、より形が均一化されており、視認性がとても優れています。 Helveticaはこの分類に入ります。 とても見やすさと読みやすさを兼ね備えたフォントで、様々な媒体で見かけます。

Geometric Sans(ジオメトリック・サンセリフ)


代表的なフォント:Avenir DIN

形状が無機質で抑揚がなく、円や四角に近い図形を組み合わせたような印象のフォントです。
幾何学的なイメージは、工業製品の文字としても使用されています。
DINはドイツの道路標識や製品の型番などに使用されていました。

Humanist Sans(ヒューマニスト ・サンセリフ)


代表的なフォント:Myriad Gill sans

サンセリフでは珍しい、手書きの特性を残したフォントです。
曲線が強調されて温かみのある女性をイメージしたフォントが多いの特徴です。
特にMyriadは、以前Appleのコーポレート書体として使用されたことで有名になりました。
※2021年現在はSan Franciscoという Apple独自のフォントを使用

まとめ

欧文書体について、特徴的な分類をご紹介しました。
上記で説明した以外にも、スラブ体やスクリプトなどの様々なフォントが存在します。
デザイナーになる上で、文字は欠かせない存在です。
文字の特徴や性質を知ることで、より手掛ける制作物の意味合いを深めることができます。
またより知ることで、デザインの歴史や印刷の歴史なども知ることができます。
今回ご紹介したのはほんの一部ですが、文字について興味を持つきっかけになってもらえればと思います。

執筆者:株式会社ゴマシオカンパニー 代表取締役 山崎準也

ゴマシオカンパニーは、採用広報支援を目的としたクリエイティブを得意とする企画制作オフィスです。この分野で20年以上実績を積み上げてきた代表を中心に、様々な分野のクリエイティブを得意とするスタッフが、日々アイデアを出し合い、お客さまの採用課題解決に尽力しています。

採用サイト制作・採用動画制作・採用パンフレット制作なら、ゴマシオカンパニーにお任せください

関連する記事
pagetop