ブログ > 採用サイト制作前のヒアリングの目的と成功のためのポイント

公開日:2025.07.31 / 最終更新日:2025.07.31

採用サイト制作前のヒアリングの目的と成功のためのポイント

人事・採用担当 採用サイト 採用支援 解説

採用サイトは企業の顔となる重要なツールです。初めてその企業を知る求職者にとって、そこで得た印象が応募の動機に直結することも少なくありません。だからこそ、企業の魅力や伝えたいメッセージを正しく、効果的に届ける必要があります。そのために欠かせないのが、ヒアリングです。よく、取材とヒアリングをおなじ意味でとらえている方がいますが、じつはまったく異なるものです。

取材が「発信」を目的に情報を集めるのに対し、ヒアリングは「理解と整理」を目的に企業と対話を重ねるプロセスです。採用サイト制作においては、ヒアリングを通じて企業のビジョンや求める人物像を明確にし、伝えたいメッセージを整理することが大切です。また、デザインや情報構成、更新の仕組みなど運用面まで具体化することが成功のポイント。丁寧なヒアリングを行うことで、企業の魅力がしっかりと伝わる採用サイト制作が実現します。

目次

1.採用サイト制作前のヒアリングの重要性

①企業側の視点から見たヒアリングの目的

②求職者視点でのヒアリングの意義

2.採用サイト制作前のヒアリングにおける具体的な質問例

①採用活動に関する質問例

・■採用の目的を明確にする質問

・■採用における課題を洗い出す質問

・■採用プロセスに関する質問

・■採用活動の魅力を引き出す質問

・■応募プロセスに関する質問

②事業内容に関する質問例

・■主力サービス・商品の理解

・■競争優位性の明確化

・■市場環境・ビジョンの把握

3.ヒアリングを効果的に進める方法

①事前準備と情報収集

②円滑なコミュニケーションのコツ

③ヒアリング後のフォローアップ

4.成功する採用サイトの作り方

①ターゲット設定とコンセプトの設計

②必要なコンテンツの決定とデザイン

③採用サイト制作の流れ

・【STEP.01】ヒアリング

・【STEP.02】サイトのコンセプトと構成決定

・【STEP.03】コンテンツ制作

・【STEP.04】ユーザービリティテスト

5.よくある失敗例とその対策

①ヒアリング不足による問題

②目的に合わないデザインの選択

6.まとめ

1.採用サイト制作前のヒアリングの重要性

前述のとおり、採用サイトは第一印象を左右する“企業の顔”とも言える存在。その制作において、最初のステップであるヒアリングはとても重要です。企業理念やビジョン、求める人物像、職場環境など、求職者に伝えたいメッセージを丁寧に聞き取り、言語化することで、表面的な情報では伝わらない“らしさ”を形にできます。さらに、ヒアリングを通じて企業と制作側の認識をすり合わせることで、ズレのない効果的なサイト制作が実現します。採用成功への第一歩はヒアリングからはじまるのです。

①企業側の視点から見たヒアリングの目的

企業側のヒアリングの目的は、自社の魅力を、採用サイトを通じて正確に伝えることです。まず、企業のビジョンや価値観を明確にし、求職者に「自社らしさ」を感じてもらえる情報を引きだします。ヒアリングを通じて企業文化や独自性を理解し、それを反映させることで、他社との差別化が図れます。次に、採用ニーズを具体的に把握することも欠かせません。募集職種や求めるスキル・経験を聞き取り、必要なコンテンツや構成を設計します。さらに、求職者がすぐに必要な情報にアクセスできるよう、使いやすい情報構成やデザインも考慮します。ヒアリングで得た情報を基に、企業の意図を反映した魅力的で使いやすい採用サイトを作り上げることが、採用活動の成功に繋がります。

②求職者視点でのヒアリングの意義

求職者にとって、ヒアリングの目的は企業が求める人材像を把握することです。企業が期待するスキルや経験、性格的な特徴を理解することで、自分の適性を評価しやすくなります。この過程を通じて、求職者はその企業で働くイメージを持ちやすくなります。また、企業の文化や働き方を知ることも大切です。採用サイトの情報だけでは企業の実態を完全には理解できませんが、ヒアリングを通じて実際の雰囲気や社員の声を聞くことで、自分がその環境に馴染めるか判断できるように。あとは「透明性」。企業が求める人物像や仕事内容を明確に示すことで、求職者は安心して応募を検討でき、企業側もより適した人材を集めやすくなります。

2.採用サイト制作前のヒアリングにおける
具体的な質問例

採用サイト制作前のヒアリングでは、企業のニーズやビジョンを正確に把握するために、具体的な質問を投げかけます。これにより、企業・事業の方向性や求める人材像、デザインの方向性が明確になり、効果的な採用サイトの土台が築かれます。以下に、ヒアリング時に役立つ質問例をまとめました。

①採用活動に関する質問例

■採用の目的を明確にする質問

・今期の採用目標は何人か?
・どのようなポジションが特に重要か?
・これからの事業展開において、どの職種が必要とされるか?

■採用における課題を洗い出す質問

・現在、採用において最も課題を感じている点は何か?
・採用活動で改善すべきだと感じている部分はどこか?
・過去の採用活動でうまくいかなかったこと、またその原因は何か?

■採用プロセスに関する質問

・選考はどのような段階があるか?(書類選考、面接、適性検査など)
・面接官は誰が担当し、どのような基準で評価するか?
・最終選考の決定基準は何か?

■採用活動の魅力を引き出す質問

・職場の雰囲気や文化について、求職者に伝えたい特徴は何か?
・企業の価値観をどのようにアピールしたいか?
・求職者に対して、どのような長期的なキャリアビジョンを伝えたいか?

■応募プロセスに関する質問

・どのような応募プロセスを希望するか?(オンライン応募、直接問い合わせなど)
・応募者にとっての応募後の流れやタイムラインはどのように設定しているか?
・応募者の問い合わせ対応は、どの程度重要視しているか?

これらの質問を通じて、採用サイトに必要な情報を効率的に把握できます。

②事業内容に関する質問例

■主力サービス・商品の理解

・御社の主力商品・サービスは何ですか?
・現在、最も注力している事業領域は?
・その事業はどのような課題を解決していますか?

■競争優位性の明確化

・業界内での競合との違いや強みはどこにありますか?
・どのような価値を顧客に提供していると考えていますか?
・他社にはない「御社ならでは」の特長とは何ですか?

■市場環境・ビジョンの把握

・今後の市場動向や業界トレンドについて、どう見ていますか?
・中長期的なビジョンや、成長に向けた戦略があれば教えてください。
・変化する市場の中で、どのようにポジションを確立していきたいと考えていますか?

こうした質問を通じて、企業の「らしさ」や今後の展望を
採用サイトに反映させるための土台をつくっていきます。

3.ヒアリングを効果的に進める方法

ヒアリングの質は、採用サイトの完成度に直結します。限られた時間の中で、どれだけ的確に情報を引き出せるかがポイントです。ここでは、ヒアリングをより実りあるものにするための基本的な進め方をご紹介します。

①事前準備と情報収集

ヒアリングを効果的に進めるための第一歩は、事前準備と情報収集です。企業のビジョンやミッション、価値観を事前に理解しておくと、ヒアリング時に的確な質問ができ、スムーズに話が進みます。さらに、過去の採用実績や人材の活躍例を確認し、企業が求める人物像を把握しましょう。また、競合他社の採用活動も調べて、自社の強みや差別化ポイントを明確にしておくと、より効果的なヒアリングが可能になります。

②円滑なコミュニケーションのコツ

円滑なコミュニケーションを図るには、いくつかのポイントがあります。まず大切なのは、相手の意見を尊重し、受け入れる姿勢を持つことです。自分の考えを一方的に伝えるのではなく、相手が話しやすい雰囲気をつくることで、より多くの本音や情報を引き出すことができます。次に意識したいのが、アクティブリスニング(積極的傾聴)です。うなずきや相づちを交えながら話を聞き、相手の考えをしっかり受け止めましょう。必要に応じて質問を挟み、相手の意図を確認することで、認識のズレも防げます。また、言葉選びにも注意が必要です。専門用語や抽象的な表現は避け、明確でわかりやすい言葉を使うよう心がけましょう。さらに、限られた時間の中で効果的に進めるためには、事前の準備も欠かせません。あらかじめ質問リストを作成し、全体の流れを把握しておくことで、スムーズな進行が可能になります。

③ヒアリング後のフォローアップ

収集した情報を整理し、お礼のメールでヒアリング内容を簡潔に伝えましょう。これにより、企業のニーズを理解していることを示し、信頼関係を築けます。次に、ヒアリング結果を反映させた提案書を作成し、企業が求める情報やデザインの方向性を具体的に示します。この提案書は、採用サイト制作を円滑に進めるための基盤となります。進捗状況を報告し、必要に応じて再ヒアリングを行うことで、企業との長期的な関係を築き、より効果的な採用活動をサポートします。

4.成功する採用サイトの作り方

効果的な採用サイトを作成するためのステップを紹介します。

①ターゲット設定とコンセプトの設計

まず、どのような求職者をターゲットにするのかをしっかりと明確にしましょう。職種や必要なスキル、経験に基づいてターゲット像を具体的にイメージし、その上で魅力的なコンテンツやデザインを決定することが必要です。

コンセプト設計では、企業の理念や文化を基に、求職者にどんな価値を伝えられるかを明確にします。例えば、キャリアアップのサポートやワークライフバランスの充実など、求職者が関心を持ちやすい具体的な情報を紹介することで、より共感を得られるようになります。コンセプトは単なるスローガンではなく、実際に求職者に伝わる形で表現するようにしましょう。社員のリアルな声や日常の働き方を紹介することで、親しみやすく、自然に魅力を感じてもらえるサイトになるはずです。

②必要なコンテンツの決定とデザイン

求職者が最も知りたい情報を明確にし、各職種の魅力をしっかりと伝えるためのコンテンツを決定します。具体的な仕事内容や求めるスキルを明示することで、実際に働いている姿がイメージしやすくなり、応募意欲を高めることができます。また、社員インタビューや職場の雰囲気を写真(または動画)で紹介することで、実際の働き方をイメージしやすくなります。

デザイン面では、企業のブランドに合わせた色使いやレイアウトを選び、統一感を持たせるようにしましょう。シンプルで視覚的に整理された情報配置は、求職者が必要な情報にすぐアクセスできるようにし、応募を促進します。コンテンツとデザインの調和を図ることで、求職者にとって魅力的で使いやすいサイトを実現します。

③採用サイト制作の流れ

採用サイト制作の流れは、いくつかの重要なステップに分かれます。

【STEP.01】ヒアリング

・企業のビジョン、ミッション、求める人材像を深く理解
・企業文化や価値観を掘り下げ、求職者へのアピール方法を考える

【STEP.02】サイトのコンセプトと構成決定

・必要なページや優先すべき情報を明確化
・デザイン方向性を決定し、全体の流れを設計

【STEP.03】コンテンツ制作

・文書、画像、動画などを用意し、魅力的なコンテンツを作成
・SEO対策を施し、検索エンジン流入を増やす工夫を重ねる

【STEP.04】ユーザービリティテスト

・実際の閲覧者からフィードバックを収集し、改善を行う

このように、採用サイトの制作にはさまざまな視点からのアプローチが必要です。

5.よくある失敗例とその対策

採用サイト制作でよく見られる失敗とその対策について紹介します。

①ヒアリング不足による問題

ヒアリング不足による問題は、採用サイト制作において深刻な影響を及ぼすことがあります。企業のビジョンやミッションが不明確だと、サイトの方向性がブレてしまい、求職者に伝わりにくくなります。また、現場の声が反映されていないと、仕事内容にギャップが生じ、入社後にミスマッチを感じさせてしまうことも。さらに、求職者のニーズを把握していないと、サイトが魅力的に見えず、応募が減る原因にもなります。

②目的に合わないデザインの選択

採用サイトのデザイン選定は、企業の印象を大きく左右する要素。企業の特徴や求める人材に合ったデザインを選びましょう。例えば、クリエイティブな職場環境を重視する企業が、堅苦しく格式張ったデザインを選ぶと、求職者にその企業の雰囲気が伝わりづらくなることがあります。このようなミスマッチを避けるためには、企業の文化や理念をしっかり理解し、その上でターゲットとする人材に響くデザインを選ぶことが大切です。

例えば、若手やクリエイティブな人材をターゲットにしている場合、柔軟で自由なデザインを選ぶことが効果的です。一方、企業の安定性や伝統を重視する場合は、信頼感を与えるシンプルで落ち着いたデザインが適しています。こうした選定にあたっては、競合他社の採用サイトも参考にすると良いでしょう。色やレイアウト、フォントの選び方に配慮し、企業のイメージを強化するデザインを選びましょう。

6.まとめ

採用サイト制作の成功には、企業と求職者の両方の視点を理解したヒアリングが欠かせません。ヒアリングを通じて、企業の魅力や求める人物像を明確にし、その情報を基にターゲットに響くコンテンツとデザインを提供することが大切です。また、効果的なサイト運営には、モバイル対応やSEO対策も重要な要素となります。採用サイトは企業の顔として、求職者に強力にアピールするためのコンテンツです。この内容が、皆さんの採用活動に少しでもお役立ちできれば幸いです。

執筆者:株式会社ゴマシオカンパニー 代表取締役 山崎準也

ゴマシオカンパニーは、採用広報支援を目的としたクリエイティブを得意とする企画制作オフィスです。この分野で20年以上実績を積み上げてきた代表を中心に、様々な分野のクリエイティブを得意とするスタッフが、日々アイデアを出し合い、お客さまの採用課題解決に尽力しています。

採用サイト制作・採用動画制作・採用パンフレット制作なら、ゴマシオカンパニーにお任せください

関連する記事
pagetop