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公開日:2024.03.29 / 最終更新日:2024.03.29

採用計画の立て方と成功に導くポイント

人事・採用担当 採用支援 解説

採用計画とは、組織が必要とする人材を効率的かつ効果的に確保するために策定される戦略的なドキュメントです。この計画には、採用する人数、求めるスキルセット、採用のタイムライン、使用するリクルーティングチャネル、予算配分、選考方法、オンボーディングのプロセスなど、採用プロセス全体を通じて必要とされる各ステップの詳細が含まれます。ここでは、その採用計画を立てる際の手助けとなるように、その必要性やメリット、立案時のステップ、テンプレート例などを解説してまいります。

目次

1.採用計画立案の必要性とメリット

成功企業の採用計画の共通点

2.採用計画立案のステップ

ステップ1:事業戦略と採用戦略のすり合わせ

ステップ2:採用ポジションの明確化

ステップ3:採用予算の設定

ステップ4:求人票の作成と媒体の選定

ステップ5:採用フローの設計

ステップ6:内定者フォローとオンボーディング

3.採用計画作成時のテンプレート活用法

新卒採用計画テンプレート例

・1.採用目標の設定

・2.市場分析

・3.採用活動計画

・4.選考プロセス

・5.オファー管理

・6. オンボーディング計画

中途採用計画テンプレート例

・1.採用目標の設定

・2.市場分析

・3.採用活動計画

・4.選考プロセス

・5.オファー管理

・6.オンボーディング計画

4.採用計画立案後のチェックポイント

計画の実行と評価

採用データの分析と次年度へのフィードバック

5.まとめ

1.採用計画立案の必要性とメリット

採用計画を立案することで、求職者とのコミュニケーションが円滑に進み、適切な人材を迅速かつ効果的に獲得することができ、時間とリソースを節約できます。さらに、組織の目標達成に向けた人材戦略が明確化され、組織全体の成長が促進されます。採用計画によって、求める人材像や採用ニーズを明確化し、組織全体の目標達成に向けた人材戦略を立てる手助けとなります。

成功企業の採用計画の共通点

成功企業の共通点として、まず、戦略的な採用が行われていることが挙げられます。成功企業は、自社のビジョンやミッションに合致する人材を積極的に採用することで、組織全体の目標に近づくことができます。そのために、求職者の経験やスキルだけでなく、企業文化や価値観にも重点を置いた採用が行われています。また、内部と外部をうまく活用していることが成功企業の特徴といえます。内部からの登用や異動、外部からのリクルーティングを組み合わせることで、組織の内外から多様な視点や知識を取り入れることが可能になります。

2.採用計画立案のステップ

採用計画を立てる際には、以下のようなステップで進めることで、効果的な立案が可能です。

ステップ1:事業戦略と採用戦略のすり合わせ

まずは、企業のビジョンや目標に基づいた人材ニーズを具体的に定義するために、経営層へのヒアリング、すり合わせを行います。成功企業は、自社のビジョンやミッションに合致する人材を積極的に採用することで、組織全体の目標達成に近づくことができています。

これに採用チームが持つ課題感や採用市場の現況も踏まえて、募集ポジション、人数などを決定していきます。

ステップ2:採用ポジションの明確化

募集するポジションがどのような業務内容や責任を持つのかを具体的に明確にしましょう。チームや組織全体で果たす役割や影響も考慮に入れることも重要です。次に、そのポジションに必要なスキルや経験、資格などの要件を明確に整理しましょう。これにより、求職者の選考基準を明確化し、適切な人材を採用するための指針となります。また、ポジションの明確化によって、求職者に対する情報提供も円滑になり、採用フロー全体の効率化にもつながります。

次に、人事が採用において抱える課題感や、現在の採用マーケットの状況なども踏まえたうえで、上記人材を獲得するための採用戦略を立案します。

ステップ3:採用予算の設定

次に、採用戦略を実現するための全体予算の設定とその振り分けを行います。適切な予算を設定することで、採用活動の効果を最大限に引き出すことができます。

まず、採用予算を設定する際に考慮すべき点は、採用活動全体でどれだけの費用がかかるのかを把握することです。掲載する求人広告の費用、採用イベントの開催費用、人材紹介会社へ支払う手数料など、様々な費用がかかるため、これらを事前に把握しておくことが重要です。

次に、採用できるポジションの数や採用活動の規模に応じて、適切な予算を設定します。大規模な採用活動を行う場合には、それに見合った予算を確保することが必要です。逆に、少人数のポジションを採用する場合には、予算を効果的に使うためにも細かい部分まで見直す必要があります。

また、予算設定の際には、追加の費用も考慮に入れることが重要です。特に採用活動中に予期せぬ費用が発生することも考えられるため、余裕を持った予算設定を行うことが望ましいです。

採用予算の設定は、採用活動の成功に直結する重要なステップです。適切な予算を設定し、採用活動を効果的に進めることで、質の高い人材を獲得し、組織の成長につなげることができます。

ステップ4:求人票の作成と媒体の選定

まず、求人票の作成にあたっては、企業の強みや価値観、社風などを明確にした上で、それらが求職者にどのような魅力となるかを考えます。また、具体的な仕事内容や応募資格、福利厚生なども明確に記載することが重要です。これにより、求職者が求人票から企業の魅力や求められる能力を理解しやすくなります。求人票を作成したら、適切な媒体を選定することが必要です。インターネットや新聞、専門誌、採用エージェントなど、様々な媒体がありますが、求める人材に適した媒体を選ぶことが重要です。例えば、専門スキルを持つ候補者を求める場合には、専門誌やウェブサイトへの掲載が効果的でしょう。また、企業の雰囲気や文化を重視する候補者を求める場合には、企業の採用サイトやSNSを活用した掲載が有効です。適切な媒体を選ぶことで、より多くの適した候補者にリーチすることができ、採用活動の効率化につながります。

ステップ5:採用フローの設計

採用フローの設計では、応募から採用までのステップを明確にし、候補者が進捗状況を把握しやすいように工夫することが重要です。面接や選考試験のスケジューリング、候補者とのコミュニケーション方法などを含めて、円滑なフローを作ることが成功への近道です。採用フローを可能な限り効率化し、候補者の待ち時間を最小限に抑える工夫も必要です。特に有力な候補者は複数の企業からオファーを受けることが一般的なため、迅速な行動が求められます。

ステップ6:内定者フォローとオンボーディング

内定後には、企業からの連絡や受け入れに関する情報を迅速かつ丁寧に伝えることが大切です。また、内定者には、社内の雰囲気や文化、福利厚生などを理解しやすくするための情報提供も行うと良いでしょう。

次に、オンボーディングプロセスを整備することが重要です。新入社員の最初の数週間や数か月を重点的にサポートし、適切な教育やトレーニングを受けられるように計画を立てます。また、上司や同僚との円滑なコミュニケーションを促進し、新入社員が業務に迅速に適応できるようにサポートします。

さらに、定期的なフォローアップやフィードバックを行うことも重要です。新入社員が問題に直面した際には、適切なサポートを提供し、改善点や成長のためのアドバイスを提供します。新入社員が組織に溶け込めるよう、継続的なフォローアップが不可欠です。

以上のステップを踏んで、内定者フォローとオンボーディングプロセスを充実させることで、新入社員の定着率やパフォーマンスの向上につなげることができます。

3.採用計画作成時のテンプレート活用法

採用計画作成時にテンプレートを活用することは、採用プロセスを標準化し、一貫性を保ちながら、時間とリソースを節約するのに役立ちます。以下に、テンプレート活用法のいくつかを示します。

新卒採用計画テンプレート例

1.採用目標の設定

目標人数: 採用する新卒者の人数を明確にします。
職種別人数: 各職種・部門で必要な新卒者の人数を指定します。
採用期間: 採用活動の開始から終了までの期間を設定します。

2.市場分析

ターゲット大学: 主に採用活動を行う大学や学部をリストアップします。
競合分析: 同業他社の新卒採用活動(採用イベント、提供条件など)を分析します。
学生ニーズの理解: 現代の学生が職場に求める条件や価値観を調査します。

3.採用活動計画

情報セッション: 日程、場所、形式(オンラインまたはオフライン)を決定します。
キャンパス訪問: 訪問する大学、訪問スケジュール、参加者を計画します。
採用広告: 採用情報を掲載する媒体と広告の内容を決めます。

4.選考プロセス

書類選考: 応募書類のチェックリストと評価基準を設定します。
面接: 面接官の選定、面接スケジュール、評価基準を決めます。
選考基準: スキル、知識、態度など、選考時に重視するポイントを明確にします。

5.オファー管理

オファーレター: 提供条件、待遇、期限など、オファーレターのテンプレートを作成します。
受諾フォローアップ: 受諾の確認と入社準備の手続きを計画します。

6. オンボーディング計画

オリエンテーションプログラム: 新卒者向けの入社初日のプログラムを計画します。
研修計画: 職種別や共通のスキル研修の内容とスケジュールを決定します。
メンターシステム: 新卒者がスムーズに職場に適応できるよう、メンターを割り当てる計画を立てます。

このテンプレートは、新卒採用プロセスの各段階で必要とされる活動と計画を網羅的に整理するための枠組みの一例です。市場分析からオンボーディングまで、一貫したアプローチで採用活動を行うことで、効率的に目標を達成し、優秀な新卒者を確保することができます。採用目標に応じて柔軟にカスタマイズし、組織の具体的なニーズに合わせて内容を調整してください。

中途採用計画テンプレート例

1.採用目標の設定

目標人数: 採用する中途入社者の人数を明確にします。
職種別ニーズ: 各職種・部門で必要な経験やスキルセットを持つ人材の人数を指定します。
採用期間: 採用活動の開始から終了までの期間を設定します。

2.市場分析

ターゲット業界: 主に採用活動を行う業界をリストアップします。
競合分析: 同業他社の採用活動(提供条件、採用戦略など)を分析します。
候補者ニーズの理解: 求職者が職場に求める条件や価値観を調査します。

3.採用活動計画

求人広告: 採用情報を掲載するウェブサイトや業界誌を決定し、広告の内容を計画します。
リクルーティングイベント: 業界イベントやキャリアフェアへの参加計画を立てます。
ヘッドハンティング: 特定のスキルセットを持つ候補者を直接的に探すためのアプローチを計画します。

4.選考プロセス

書類選考: 応募書類のチェックリストと評価基準を設定します。
面接: 面接官の選定、面接の種類(一次面接、二次面接、グループ面接など)、評価基準を決めます。
スキルテスト: 職種に応じたスキルテストやケーススタディを準備します。

5.オファー管理

オファーレター: 提供条件、待遇、期限など、オファーレターのテンプレートを作成します。
受諾フォローアップ: 受諾の確認と入社準備の手続きを計画します。

6.オンボーディング計画

オリエンテーション: 中途入社者向けの入社初日のプログラムを計画します。
研修計画: 職種別の技能向上や企業文化への適応を目的とした研修内容とスケジュールを決定します。
統合プラン: 新入社員が早期にチームや組織に溶け込むためのメンターシステムやチームビルディング活動を計画します。

中途採用においても、採用プロセスは柔軟にカスタマイズ可能であり、組織の具体的なニーズに合わせて内容を調整することが肝心です。

4.採用計画立案後のチェックポイント

まず第一に、計画が現実的かつ達成可能な目標を設定しているかどうかを確認することが必要です。過剰な採用目標を設定することは、採用活動における無駄な負担を生む可能性があります。

次に、採用プロセスにおける各段階での進捗状況をモニタリングすることが不可欠です。たとえば、求人広告の反応や面接選考の進行状況、内定者の応諾率などを定期的に評価し、必要に応じてアジャストすることが求められます。

さらに、採用活動における予算の管理も重要なポイントです。予算の限られた中で最大限の成果を上げるためには、出費と結果を常に見極め、コストパフォーマンスを最適化していくことが求められます。

最後に、採用後のフォローアップやフィードバックの仕組みを整えることも重要です。新入社員の定着率やパフォーマンス向上のために、入社後のサポート体制を整備し、定期的なフィードバックを行うことが良い結果に繋がるでしょう。

計画の実行と評価

計画の実行では、求人広告の効果測定や選考プロセスの円滑さなど、定量的・定性的な観点からのデータ収集が欠かせません。この際、従業員の意見や志望動機をヒアリングすることも重要です。また、業務遂行のスムーズさや新たなアイディアをフィードバックしてもらうことで、計画の改善に役立てることができます。評価の際には、目標達成率やコスト対効果、採用後の定着率などを数値的に評価するほか、面接官や応募者などのアンケート結果を参考にして、採用プロセスの改善点を特定することが求められます。

採用データの分析と次年度へのフィードバック

採用データの集計・分析を行うことで、採用プロセス全体のパフォーマンスを客観的に評価することが可能となります。応募者数、面接合格率、内定者の入社率などのデータを詳細に分析し、どの段階でどのように改善すべきかを把握することが重要です。

次に、得られた分析結果を元に、次年度の採用計画にフィードバックを行います。過去のデータを踏まえた上で、目標や予算の見直し、採用手法や媒体の改善、採用プロセスの最適化などを検討し、次年度の採用計画をより効果的なものにするための方針を策定します。

さらに、新たなアプローチや取り組みを試行する際には、その成果をデータとして蓄積し、次回の採用計画に生かすことも大切です。実証済みの成功パターンや失敗からの学びを次年度にフィードバックすることで、より効果的な採用戦略を築くことができます。

採用データの分析と次年度へのフィードバックを通じて、組織が持続的に優秀な人材を採用し続けるためのサイクルを構築することが重要です。

5.まとめ

ここでは、採用計画を立てることでのメリットや、立て方、運用方法などを解説してまいりました。優秀かつ自社の理念に共感できる人材を効果的かつ効率的に獲得する手法を確立しておくことは、自社の大きな財産となります。自社にとって最適な採用計画を立てることで、企業の成長に繋げていってください。

執筆者:株式会社ゴマシオカンパニー 代表取締役 山崎準也

ゴマシオカンパニーは、採用広報支援を目的としたクリエイティブを得意とする企画制作オフィスです。この分野で20年以上実績を積み上げてきた代表を中心に、様々な分野のクリエイティブを得意とするスタッフが、日々アイデアを出し合い、お客さまの採用課題解決に尽力しています。

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