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公開日:2024.03.12 / 最終更新日:2024.03.12

採用ペルソナの効果と作り方ガイド

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リクナビ、マイナビなど求人サイトへの登録企業数や掲載求人数は年々増加傾向にあり、多くの企業の中に自社の情報が埋もれて効果が薄くなってきているというお話をよく聞きます。その背景を踏まえて昨今注目を集めているのが、ターゲットを明確化して採用を行うための採用ペルソナです。ここでは、その採用ペルソナを作成することで得られる採用効果や作り方、運用のコツ、注意すべきことなどを解説してまいります。

目次

1.採用ペルソナとは?基本を押さえる

新卒採用のペルソナ情報

中途採用のペルソナ情報

採用ペルソナを設定するメリット

・効率的、効果的に採用戦略が立案できる

・ブランドの魅力を強化できる

・チーム内での採用方針を共有できる

2.採用ペルソナの作り方と運用

ステップ1:データ収集

ステップ2:プロフィールの作成

ステップ3:運用と調整

3.採用ペルソナの設定事例

新卒採用、専門商社、営業職の採用ペルソナ

中途採用、IT系、エンジニア職の採用ペルソナ

4.採用ペルソナの活用術

求人票や採用広報物への反映

面接プロセスの最適化

5.採用ペルソナ作成と運用の注意点

ターゲットを広げすぎない

採用ペルソナに縛られすぎない

見直しと評価を繰り返す

6.まとめ

1.採用ペルソナとは?基本を押さえる

採用ペルソナの作成とは、理想的な候補者の詳細なプロファイルを作成して架空の人物像を設定することです。このアプローチは、マーケティングで一般的に用いられるバイヤーペルソナの概念に似ており、それを採用の戦略として採り入れたものです。採用ペルソナを設定する主な目的は、理想的な候補者の特性、ニーズ、動機、行動パターンを理解し、分析することで効率的、効果的に採用戦略の方針を決定することです。

一般的に採用ペルソナには、以下のような情報が含まれます。

新卒採用のペルソナ情報

基本情報:

性別、学歴、出身地

個人的特性:

価値観、性格特性、趣味嗜好

学生生活:

勉学、部活動、アルバイト、課外活動

就活:

志望業界、業界関心、動機

仕事への期待:

キャリア目標、成長意欲、働き方、不安点

中途採用のペルソナ情報

基本情報:

性別、学歴、現在の職業、職歴

個人的特性:

価値観、性格特性、趣味嗜好

現在の仕事:

業務内容、ポジション、スキルセット、達成感

転職理由:

働き方、不満点、ステップアップ

仕事への期待:

キャリア目標、成長意欲、働き方、将来性

※募集職種やポジションによって重視する項目などは調整します。

採用ペルソナを設定するメリット

採用ペルソナを設定することで得られるメリットや効果などを、以下に解説いたします。

効率的、効果的に採用戦略が立案できる

採用ペルソナに基づいて戦略を立てることで、採用活動における時間と費用を最も効果が期待できる手法やチャネルに集中させることができます。この人物像なら、どのようなキャッチコピーに惹かれるか、どんなデザインが好きだろうか、どんなイベントに参加するだろうか、どんなメディアを見ているだろうかなどと予想を立てることで、コストパフォーマンスの高い計画立案ができます。

当社でも採用サイト制作やその他ツール制作をご依頼いただく際に、採用ペルソナ設計をセットでご提案させていただくケースが多数あります。

ブランドの魅力を強化できる

採用ペルソナのニーズと価値観を反映した採用ブランディングを通じて、自社の雇用ブランドをより魅力的に見せることができます。このことで、自社の理想に合致した候補者からの応募数の増加と質の向上が期待できます。

チーム内での採用方針を共有できる

採用チーム内で、選考や広報の方針や行動指針に共通言語ができます。また採用チーム内にとどまらず、企業内の受け入れ部署や現場の責任者とも共有、コンセンサスを得ることで、採用活動得への理解と協力が促進されます。

2.採用ペルソナの作り方と運用

採用ペルソナは、以下のようなステップを踏んで作成していきます。

ステップ1:データ収集

現在のスタッフ、特に活躍している社員からのインタビュー、アンケートや、既存の採用データの収集を行い、定量的、定性的な人物像の情報を集めます。元々社内設定している求める人物像や、現場の責任者やスタッフからの要望などとも比較しながら、人物条件の優先順位、MUST(必要)条件、WANT(望ましい)条件などの項目を整理します。

ステップ2:プロフィールの作成

収集、分析をした人物条件を基に一人もしくは複数人の採用ペルソナの仮プロフィールを作成します。そのプロフィールを社内共有し、様々な角度からの意見を集約しつつ、採用市場におけるハードルなども考慮しながら調整していき採用ペルソナを完成させます。

ステップ3:運用と調整

作成した採用ペルソナに基づいて、採用メッセージやブランディング、採用チャネルなどに反映させます。運用後には応募数、採用率、離職率などの指標を測定し、効果を評価します。評価内容、市場の変化、企業の成長、業界動向などに基づき、採用ペルソナは定期的に見直し、調整を行います。

3.採用ペルソナの設定事例

架空の企業、採用課題についての設定事例をご紹介いたします。

新卒採用、専門商社、営業職の採用ペルソナ

基本情報:

私立MARCH クラス大学/経済学部/女性/埼玉県出身

学生時代:

高校ではダンス部に所属。複数人で1 つの表現を創り上げることの楽しさを覚えた。大学ではテニスサークルに入り、居酒屋と家庭教師のアルバイトをかけもち。

個人的特性:

どちらのアルバイト先でも第一印象が良く、コミュニケーション能力も高く、機転も利くと評価されている。インドアからアウトドアまで多趣味で、多方面の知識を有する部分が会話の幅を広げている。

就活:

人との対話を好む自分には、営業職が向いていると思っている。業界は絞らず広く多くの業種を見てみたいと思っているが、世の中のためになり、これから伸びる分野の商材に携わりたいと思っている。

仕事への期待:

一人で黙々と働くのではなく、チームで目標達成を目指す社風の中で働きたい。将来的にはリーダーとしてチームを引っ張っていけるような存在になりたいとも思っている。将来的にはプライベートも充実させたいで、働き方や福利厚生制度についても重視している。

中途採用、IT系、エンジニア職の採用ペルソナ

基本情報:

情報系専門学校卒/男性/28歳/経験1社/エンジニア

個人的特性:

小学校の頃からノートパソコンでインターネットを始め、HTMLなどのマークアップ言語にも興味を持つ。中学・高校時代から漠然とスマホのアプリやゲームの開発に携わってみたいと考えはじめ、情報系の専門学校へ進学。

現在の仕事:

入社以来金融系のシステムに携わっていて、常駐型のSEとして務めている。保守やテストのルーチンワークがメイン業務となっていて、モチベーションが下がりつつある。

転職理由:

上記理由から企画など上流工程から携わることで、ステップアップを目指したいと考えるようになった。常駐型の働き方についても、社内のコミュニケーションに希薄さを感じていて、自社開発を行っている会社にも興味がある。

仕事への期待:

20 代も後半に差し掛かり、30 歳になるまでには、SEとして一通りのスキルを身に付け、自主的に提案なども行える環境で働きたい。ゆくゆくは、プロジェクトリーダーやマネジメントの領域までキャリアを積んでいきたいと思っている。

4.採用ペルソナの活用術

設定した採用ペルソナを実際の採用活動にどのように活かしていくか、以下ではその活用方法についてご紹介いたします。

求人票や採用広報物への反映

貴社の魅力を様々な角度(企業理念、ビジョン、社内制度、社風、ビジネスの強みなど)から洗い出し、その中でも採用ペルソナが価値を見出すと想定される魅力を前面に出すことで、より刺さる訴求ができます。

文体やトーンも採用ペルソナのコミュニケーションスタイルに合わせて調整します。例えば若手でSNSを普段使いしている採用ペルソナならカジュアルなトーンに、経験豊富な専門職では、フォーマルで専門色の強いトーンが適しているなど、予想を立てて調整します。

また、露出する媒体やルートも採用ペルソナを意識して選定することで、より多くのターゲットとなる求職者に届けることができるでしょう。

面接プロセスの最適化

採用ペルソナに合わせた面接ガイドを作成して運用します。採用ペルソナの特性やニーズに関連する質問を用意することで、求める人物像とのマッチング率を判定することができます。例えば、リーダーシップ能力を重視する採用ペルソナでは、過去の学生生活、クラブ活動、アルバイトなどの経験を掘り下げた内容を質問することで、その能力を評価できます。

また、複数の面接官が共通のペルソナ像をイメージして面接に望むことで、一貫性のある面接評価と評価の共有が可能になります。

5.採用ペルソナ作成と運用の注意点

ここまで採用ペルソナの作り方とその運用方法に解説してまいりましたが、以下では作成、運用についての注意点をいくつか挙げていきます。

ターゲットを広げすぎない

採用ペルソナを作成する際に、実際の採用市場と比較して取りこぼしを恐れてレベルを下げたり、複数人の意見を採り入れたことで、非常に広いターゲットが作られることがあります。ですが、ターゲットを広げすぎると採用ペルソナ自体の意味が薄れ、活用の際の判断材料として機能しなくなってしまいます。あくまで仮の理想像と考え、ある程度の割り切りも必要です。

採用ペルソナに縛られすぎない

特に面接に採用ペルソナを利用する際、そのプロフィールに縛られすぎてはいけません。例えばペルソナ像に運動部などのリーダー経験が入っていたとしても、同経験を求めているわけではありません。求めているのは、その能力の有無を判断するための経験です。リーダーシップやコミュニケーション能力を発揮した経験や、その潜在能力を探り出すための質問を、面接では用意してください。

見直しと評価を繰り返す

採用ペルソナは一度作って終わりではなく、定期的に見直しを行いましょう。特に新卒採用では少なくとも年に1回、振り返りを行うと思いますので、その際に採用ペルソナについても再評価します。実際に募集のあった求職者との乖離が大き過ぎないか、優先順位の付け方は適切かなどのブラッシュアップはもちろんですが、会社の経営計画やビジョンの変化、採用市場の変化などに合わせて調整。運用後に更に見直しと、PDCAを回しながら運用を続けていきます。

6.まとめ

ここまで採用ペルソナのメリットと作り方、運用、注意点などについて解説してまいりました。採用ペルソナをうまく活用することで、採用活動をより効率的かつ効果的なものにすることができます。一方、活用を失敗すると母集団形成に不足が発生することもあり得ます。採用ペルソナのメリット、注意点を理解したうえで活用することで、貴社の採用活動の成功に繋げていってください。

ゴマシオカンパニーでは採用ペルソナの作成から、採用サイト制作時の活用まで、一貫してお手伝いさせていただけます。採用ペルソナ作成にお悩みの際には、お気軽にご相談ください。

執筆者:株式会社ゴマシオカンパニー 代表取締役 山崎準也

ゴマシオカンパニーは、採用広報支援を目的としたクリエイティブを得意とする企画制作オフィスです。この分野で20年以上実績を積み上げてきた代表を中心に、様々な分野のクリエイティブを得意とするスタッフが、日々アイデアを出し合い、お客さまの採用課題解決に尽力しています。

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